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その技術習得の現行の方法をたずねれば、「自分で独自に」が53%を占め、「会社の教育で」は「9%、「OJT(仕事をしながらの教育・訓練)で」は5%、「会社負担により社外の教育機関で」はわずか4%にすぎない。
28歳にしてこの現状なのだ。
たとえこの職種でなくとも労働の全分野にかかわりつつあるコンピューターに、中高年層のサラリーマン男女が繁忙の日常業務をこなしながら短期の自己啓発で対応できるようになるのはむつかしいだろう。
だが、「教育、習得の機会と時間があれば」できるようになる人はたぶんはるかに多くなる。
同じことは外国語や経営関係の専門知識のマスターについてもいえよう。
新しい技能や資格を求める企業に対するサラリーマンの願いは、短期間での自己啓発に駆り立てられる状況の見直しと、十分な訓練の機会と期間の保障である。
たとえばOA機器を何力月でマスターすべきかは、もちろん労働組合のかかわるべきテーマなのである。
昇格と昇給の最低保障私の主張は平凡である。
能力主義管理を前提とするならば、個性的なアフターファイヴ、心身の健康、高齢者の雇用保障、女性の就業権−それら生活者にとって大切な価値のために、ノルマや要員や自己啓発のあり方をできるかぎり規制して、要請される能力のハードルを多くのなかまがクリアーできるように試みる。
「会社人間」が世界の働く庶民に近づく、それがやはり王道ということができる。
けれども、設定される能力のハードルに関する経営権が、すでに聖域とされていてこの「王道」に進み出ることができないとしても、サラリーマンとその組合には、多くのなかまのゆとりのために一歩後退した地点でなすべきことが残されている。
それは「能力不十分」とみなされてしまう人びとの雇用と生活してゆけるだけの昇格と昇給を保障するという、あまりにも伝統的な課題である。
ここではこの雇用保障を前提とした昇格・昇給の規制にもう少し立ち入ると、現時点では、連合の小林良暢氏が提起するように(小林1996)、これからは長期雇用の従業員も企業の要請する能力の質と賃金の高低が相関するさまざまのキャリアパスにわかれることを大胆に認めるところから出発するほうがむしろ現実的であろう。
そのうえで現場の地味な仕事を続けてゆく現業職、一般職などに適用される職能資格制について、たとえば55歳くらいまでは昇給が保障されるように、最長滞留年数を各グレードのなかにできるだけ上のグレードまで設定させる。
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